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10/26・10/30
買う人は何人いるのか
この回で分かるようになること
- 市場を三段階(全体・届く範囲・初年度に取れる分)に分けて計算できる
- 同じ数字を、上から絞る計算と、足し上げる計算の二通りで出せる
- 二つの計算が食い違ったとき、どちらの前提を疑うかを言える
この回で覚えるのは2つだけ
- 同じ数を、二通りのやり方で出す
- 数字には、出どころと時点を必ず添える
この2つだけです。 三段階の名前も、計算の細かい手順も、やってみれば身につきます。
この回で自分たちの企画に当てはめる計算例は、すべて架空の数字です。 説明のために作ったもので、どこかの会社の実際の数字ではありません。自分たちの数字に置き換えて読んでください。
統計から引いた数字は別です。 郡山市の人口のように、出どころと時点を書いてあるものは、実際に公表されている数字です。
なぜ二通りで出すのか。 片方だけだと、間違っていても気づけないからです。
計算は、間違っていても答えが出ます。桁を1つ間違えても、割合を取り違えても、数字は出てきます。 もう一方の計算と突き合わせて初めて、おかしいと分かります。
第12回でも同じことをやります。 株数で出した割合と、金額で出した割合を突き合わせる。合っていれば同じ数字になり、合わなければどこかで間違えています。
「たくさんいる」では数えたことにならない
前の回で、実際に人に話を聞きました。その人と同じような人が、何人いるのか。 この回で数えます。
「若い人はみんな使う」では数えたことになりません。何人か言えないと、いくら売れるかも決まりません。
大きい数字は、そのままでは分かりません
数え始める前に、1つやっておきます。大きい数字を、自分の感覚に戻す練習です。
そのままでは、大きいのか小さいのか分かりません。 割り戻すと、急に分かります。予算は郡山市公式ウェブサイト(令和8年3月定例会提出議案概要)、人口は同じサイトの令和8年8月1日現在の値です。
割り戻し方は3つあります
- 身近な単位に割る … 1日あたり、1人あたり、1回あたり
- 知っている額と比べる … 自分の1年ぶんの生活費、バイトの月給
- 割合を実数に直す … 「4割」ではなく「100円のうち40円」
3つ目がいちばん手軽です。 第1回で「売上100円のうち、40円が本業の儲けとして残る」と書いたのが、この形です。
この回で出す数字にも、必ずやってください。 「市内に5,000人います」で終わらせず、「5,000人ということは、1日に何人来る計算になるか」まで出します。 そこで初めて、多いのか少ないのかが分かります。
割り戻すと、間違いも見つかります
桁を1つ間違えたときに、いちばん早く気づけるのが割り戻しです。
「市内に50万人います」と出たとします。割り戻すと、郡山市の人口314,736人より多いことになります。 途中で桁を間違えたか、市外の人まで数えています。
「1日に3,000人来ます」と出たとします。 1日8時間なら、1時間に375人。10秒に1人です。 自分たちで対応できるでしょうか。
大きい数字が出たときほど、割り戻してください。 大きい数字は気持ちがよいので、そのまま通してしまいます。
三段階に分けて数える
いきなり「何人いるか」を出そうとすると止まります。大きいところから3回に分けて絞ります。
小さくなって当たり前です。 1年目から全国に届く企画のほうが、たいてい嘘です。
「小さいと投資家に見てもらえないのでは」と思うかもしれません。 逆です。大きい数字だけを出す計画のほうが、信用されません。 1年目に何人来るかを言えない人が、その先の話をしても、確かめようがないからです。
この3つには名前が付いています。外側から順に TAM(ターム/全体の市場)、SAM(サム/届く範囲)、SOM(ソム/初年度に取れる分) です。投資家に説明する場では、この3文字で聞かれることがあります。中身はいま書いたとおりなので、名前は覚えなくても、聞かれたら答えられます。
3つを、1つずつ
いちばん外側(全体の市場)。 その困りごとを持っている人が、世の中に何人いるか。ここは、公表されている統計から出します。 大きい数字になります。
真ん中(届く範囲)。 そのうち、自分たちが実際に届けられる人は何人か。場所で絞る、年齢で絞る、届け方で絞る。「届けられる」というのは、その人に知ってもらえて、買ってもらえる、という意味です。
知ってもらえない人は、ここで落とします。 郡山市に住んでいても、その企画があることを知る機会がない人は、届く範囲に入りません。 チラシを配る範囲、SNSで届く範囲、通りがかりで気づく範囲。そこまでが「届く」です。
いちばん内側(初年度に取れる分)。 そのうち、1年目に実際に買ってくれる人は何人か。ここがいちばん小さくなります。
なぜ3つに分けるのか。 1回で「何人いるか」を出そうとすると、大きい数字と小さい数字が混ざるからです。 「日本中に何万人もいる」と「うちの店には1日10人来る」を、同じ紙の上で比べられません。3段階に分けると、どこで大きく減ったかが見えます。
いちばん減るところが、この企画の要になります。 届ける方法で減っているなら、届け方を変えれば増えます。買う人の割合で減っているなら、そもそも欲しがられていないかもしれません。
名前について
TAM・SAM・SOM は、覚えなくて構いません。 ただ、最終回のピッチで聞かれることがあります。 そのときは「全体では◯人、届く範囲は◯人、1年目は◯人です」と答えれば足ります。3文字で答える必要はありません。
この3つを分けるのは、この授業だけの決まりではありません。 事業の計画を人に説明する場では、どこまでを相手にしていて、どこから先はまだ相手にしていないのかを分けて言うのが普通です。分けずに「市場は大きいです」とだけ言うと、何も言っていないのと同じになります。
上から絞る計算
統計の大きな数字から、割合をかけて絞っていきます。
セルフ写真館なら、こう降りていきます。
- 郡山市に住んでいる人の数。 市の「統計こおりやま」に、地区別・5歳ごとで載っています
- そのうち、撮りに行きそうな年齢の人。 何歳から何歳までにするかは自分で決めます。決めた理由を書いてください
- そのうち、1年に1回でも撮る人の割合。 ここが分かりません。第3回で聞いた人のうち何人がそうだったかを使います
- そのうち、自分の店まで来られる範囲の人
3番目のように、統計に無い割合が必ず出ます。 そこで止めずに、自分が聞いた範囲の数字を使って、その旨を書いてください。「5人に聞いて2人だったので4割」と書けば、読む人は弱い数字だと分かります。
実際に、数字を入れてみます。
出発点は、郡山市の人口 314,736人(郡山市公式ウェブサイト、令和8年8月1日現在)。
7,500人まで下りました。 出発点の314,736人と比べると、40分の1以下です。
来られる範囲を広げれば増えますが、そのためには場所を変えるか、届け方を変える必要があります。 第5回で扱うのが、まさにこれです。
1日20人。 これなら、多いか少ないかが分かります。そして、自分たちがその20人に対応できるかどうかも、すぐ分かります。
割合をかけるたびに、その割合の出どころを書いてください。 「たぶん半分くらい」でかけた数字が2つ続くと、答えは4分の1ずれます。
割合をかける回数は、少ないほうが確かです。 4回かけると、そのうち1つが2倍ずれただけで、答えも2倍ずれます。3回までにおさめてください。
出発点の数字は、公表されているものにしてください。 郡山市の人口のように、誰でも同じ数字にたどり着けるところから始めます。 出発点が「たぶん」だと、そのあと何をかけても「たぶん」のままです。
ここで迷う人が多い ① どこから絞ればよいか分からない
止まり方は3つです。
1つ目。出発点を何にすればよいか分からない。 自分たちが届けられる範囲の、いちばん外側から始めてください。 市内でやるなら郡山市の人口。学校の中でやるなら学校の人数。全国から始めると、絞る回数が増えて、そのぶんずれます。
2つ目。割合が1つも分からない。 第3回で聞いた人の数を使ってください。 「5人に聞いて2人だったので4割」。弱い数字ですが、出どころのある数字です。 そう書いておけば、読む人にも弱さが伝わります。
3つ目。絞ったら小さくなりすぎて不安になる。 小さくて構いません。 第5回で、その数で成り立つかどうかを見ます。成り立たないと分かることが、次にやることを決めます。
むしろ、小さくならない絞り方のほうが危ないです。 「郡山市の人口の8割が対象です」と出たら、絞れていません。 誰にでも当てはまる条件しかかけていない、ということです。
絞る条件は、その人が浮かぶものにしてください。 「20代」ではなく「一人暮らしを始めたばかりの学生」。第2回で描いた人物像が、そのまま絞る条件になります。
足し上げる計算
もう一方は、自分たちの側から積み上げます。1日に何人に対応できるか。何日開けるか。1人あたりいくらか。
セルフ写真館なら、掛けるのはこの4つです。
1日に回せる組数 × 営業する日数 × 1組あたりの金額
1日に回せる組数は、1組が入ってから出るまでの時間で決まります。着替えて、撮って、選んで、出るまで。これは統計に載っていません。 実際に店に行って、時計で計るしかありません。そこが、この計算でいちばん確かな数字になります。
こちらは自分たちで数えられます。 現地で数える、時間を計る、料金表を見る。統計を探さなくても出ます。
どんな企画でも、掛けるものは同じ形になります。
1回に対応できる数 × 何回できるか × 1回あたりの金額
1つ目が、自分たちの上限です。 1日に何組か、1日に何個作れるか、1人が1日に何件回れるか。ここには、必ず上限があります。
2つ目は、自分たちで決められます。 週に何日やるか。ただし、学校がある日を全部使う計画は、たいてい実行できません。
3つ目は、第7回で決めます。 いまは仮で構いません。
こちらも、数字を入れてみます。
- 1日に回せる組数 … 1組が入ってから出るまで1時間、8時間開けるとして 8組
- 営業する日数 … 週5日、年間 250日
- 1組あたりの金額 … 仮に 6,000円
8組 × 250日 × 6,000円 = 1,200万円
組数で言うと、8 × 250 = 年に2,000組です。
上から絞ったほうは、年に7,500人でした。 単位が違うので、そのままでは比べられません。そこが、次の節につながります。
ここで迷う人が多い ② 自分たちの上限が出せない
止まり方は3つです。
1つ目。1回にどれくらいかかるか分からない。 計ってください。 実際にやってみるのがいちばん早いです。やったことがなければ、同じことをやっている店で、入ってから出るまでの時間を計ります。
計るときは、いちばん早い人ではなく、ふつうの人を見てください。 慣れた店員が5分でやることを、自分たちが5分でできるとはかぎりません。初めてやる人の時間で置くほうが、外れません。
2つ目。「頑張ればもっとできる」と考えてしまう。 いちばん忙しい日ではなく、ふつうの日で置いてください。 いちばん忙しい日を基準にすると、その数字が1年続く計画になります。
3つ目。人数を増やせばいくらでも増えると思ってしまう。 人を増やすとお金がかかります。 第8回と第10回で、そこを計算します。いまは、いまの人数でできる上限を出してください。
上限が出せると、もう1つ分かることがあります。 これ以上は受けられない、という線です。
上限まで埋まっているのに足りないなら、やり方を変えるしかありません。 上限の半分も埋まっていないなら、まず知ってもらうところからです。同じ「足りない」でも、やることが逆になります。
統計の探し方
この回でいちばん時間を使うのが、統計を探すところです。 探し方を書いておきます。
- 人口や世帯数 … 市の公式サイト。郡山市は、どのページの下にも人口と世帯数が出ています
- お店の数 … 地図で数えるのがいちばん早いです。地図に出た数を、自分で数えます
- 業界全体の数字 … 業界団体の公表資料。無いことも多いです
見つからなかったら、探した先を書いてください。 「市の統計を見たが、この項目は無かった」。それも報告です。
第1回でやった「分からないことは、分からないと書く」と同じです。 探す場所を増やしたうえで、それでも見つからなかったなら、それは「無い」ではなく「確認できなかった」です。 書き方が変わるだけで、次にやることも変わります。
まとめ記事の数字は、そのまま使わないでください。 記事に「◯◯調べ」と書いてあれば、その◯◯を探します。 たどれなければ、仮の数字として扱います。
探すのに時間をかけすぎないでください。 30分探して出てこなければ、仮の数字で進めます。 見つからないことが分かるのも、成果です。
二つが食い違ったら
たいてい食い違います。 桁が違うこともあります。そこからが本番です。
- 上から絞った数のほうが大きいとき … 届く範囲を広く取りすぎているか、自分たちの能力が足りていない
- 足し上げた数のほうが大きいとき … その人数を集める手段が計算に入っていない
どちらが正しいかではなく、どちらの前提が怪しいかを見ます。 二通りで出すのは、この突き合わせをするためです。
さきほどの数字で並べてみます。
- 上から絞った数 … 年に7,500人
- 足し上げた数 … 年に2,000組
まず、単位を揃えます。 1組が平均2人なら、2,000組は4,000人です。それでも7,500人には届きません。
つまり、市内に7,500人いても、自分たちが受けられるのは4,000人までです。 残りの3,500人は、受けたくても受けられません。
これが分かると、次にやることが決まります。 台数を増やすか、1組の時間を短くするか、あるいは7,500人を全部相手にしないと決めるか。
セルフ写真館で起きやすいのは、上から絞った数のほうがずっと大きくなることです。市内に撮りたい人が何千人いても、1日に回せる組数の上限を超えて受けることはできません。 そのときは、届く範囲を広く取りすぎたのではなく、自分たちの能力が先に頭打ちになっています。
そう分かったら、企画のほうを動かします。 台数を増やすのか、1組の時間を短くするのか、単価を上げるのか。第5回で扱うのがこれです。
食い違いの直し方
まず、桁を見てください。 第5回でやるのと同じです。
「上から絞ると5,000人だが、自分たちが対応できるのは年に300組」。 これが分かっていること自体が、この回の成果です。
同じ数字を両方に使ってしまう、という間違いもあります。
上から絞るときに「1日20人」と出して、足し上げるときにも「1日20人」を使う。これでは二通りになりません。 同じ計算を2回やっただけです。
上から絞るほうは、外の統計から出します。足し上げるほうは、自分たちの手元から出します。 出どころが違うことが、二通りである条件です。
課題の問3で、そこを聞いています。 食い違わなかった場合は、両方に同じ数字を使っていないかを確かめてください。
数える単位を先に決める
計算に入る前に、何を数えるのかを1つに決めてください。 人数か、組数か、件数か。
セルフ写真館は「組」で数えます。 2人で来ても3人で来ても、使うのは1部屋で、払うのは1回ぶんだからです。人数で数えると、売上と合わなくなります。
単位は、お金を払う単位に合わせます。 ここがずれると、この先の計算が全部ずれます。
単位が決まらない企画は、この先ずっと数えられません。 決まらないときは、単位が決まる形に企画のほうを直します。
上から絞る計算と、足し上げる計算で、単位を揃えてください。 さきほどの例では、片方が「人」、もう片方が「組」でした。揃えないと比べられません。
揃えるなら、お金を受け取る側の単位に揃えます。 組で受け取るなら、人数のほうを組に直します。逆にすると、売上の計算でもう一度直すことになります。
揃えるときは、換算の根拠を書いてください。 「1組は平均2人」と置くなら、その2人はどこから来た数字か。 第3回で聞いた話にあるなら、それが根拠です。
【考えてみてください】自分たちの企画は、1日に何人(何組)来れば成り立ちそうですか
先に感覚で答えてみてください。 5人ですか、50人ですか、500人ですか。
この問いの答えは、このページのどこにも書いていません。 授業で聞きます。
先に感覚で答えてもらうのには理由があります。 計算だけで出した数字は、大きく外していても気づけません。 「1日に500人」と出て、それが自分の感覚と合わないなら、どこかで間違えています。
答えたあとで、上の計算をやってみてください。 感覚で答えた数と、計算で出た数が近ければ、その感覚は使えます。 大きくずれていたら、どちらが違っているのかを見ます。
感覚のほうが正しいこともあります。 ふだんその場に立っていれば、計算より正確に分かることがあります。 バイト先で毎日レジに立っているなら、その感覚は根拠です。
その場合は、感覚のほうを数字にしてください。 「バイト先では1日◯人来る」。これも、自分で数えた数字です。
数字には基準日を付ける
使った数字には、いつの数字かを必ず書いてください。 「◯人」ではなく「◯年の調査で◯人」。
古いと分かっていても、使ってかまいません。 問題なのは、古いことに気づかずに使うことです。
どれくらい古いと問題か。 決まりはありませんが、この回で扱うものなら、こう考えてください。
- 人口や世帯数 … 数年前でもほとんど変わりません。そのまま使えます
- お店の数や、流行っているもの … 1年前でも変わります。いまの地図や店頭で確かめてください
- 値段 … 変わります。必ずいまのものを見てください
「変わりにくいものは古くてよい、変わりやすいものは新しくないといけない」。 この分け方で足ります。
自分たちが数えた数字にも、日付を付けてください。 「11月◯日の午後、◯◯で計った」。同じ場所でも、曜日と時間で変わります。 平日の昼に数えた人数と、土曜の午後に数えた人数は別のものです。
1回しか数えていないなら、そう書いてください。 「1回だけ数えた」と書いてあれば、読む人は幅を見込んで読みます。
セルフ写真館はここ数年で増えた業態なので、国の統計に載っている店舗数と、いま地図で数えた店舗数が食い違う可能性があります。両方を書いて、どちらをどう使ったかを添えてください。
最後の回で「その数字はどこから取りましたか」と聞かれます。そのとき答えられるかどうかは、いま書いたかどうかで決まります。
書き添える形
ここで迷う人が多い ③ 数字が信じられなくなる
止まり方は3つです。
1つ目。調べるほど、どの数字も怪しく見えてくる。 正しい反応です。 どの数字にも、集めた人の都合と時点があります。大事なのは、正しい数字を探すことではなく、どれくらい確かかを自分で言えることです。
2つ目。数字が古いと分かって、使うのをやめてしまう。 古くても使えます。 「◯年の数字なので、いまはもう少し多いかもしれません」と書けば足ります。使わないより、断って使うほうが強いです。
3つ目。自分で数えた数字は弱いと思ってしまう。 逆です。 自分で計った時間や、自分で数えた人数は、この回でいちばん確かな数字です。 統計より弱いということはありません。
自分たちの企画で、順番にやってみる
- 数える単位を決める … 人数か、組数か、件数か。お金を払う単位に合わせる
- 上から絞る … 出発点を決めて、3回までかける。割合ごとに出どころを書く
- 足し上げる … 上限 × 回数 × 単価
- 二つを並べる … 桁を見て、どちらの前提が怪しいかを決める
- 割り戻す … 出た数字を、1日あたりか1人あたりに直してみる
二つの数字が並べば、この回は通っています
一致したかどうかではありません。 二通りで出して、食い違いをどう説明するか。 そこまで書けていれば十分です。
うまくいかないときは
統計が見つからない。 見つからないことを書いてください。 「探したが公表されていなかった」も報告です。第2回で「空欄には2種類ある」とやったのと同じです。
割合の出どころが全部インタビューになる。 それで構いません。 「5人に聞いて」と書いてあれば、読む人は弱さを分かって読みます。出どころが書いていない数字より、ずっと強いです。
上限が計算できない。 1回にかかる時間だけでも計ってきてください。 それが分かれば、残りは掛け算です。
チームの中で、絞り方が人によって違う。 全員ぶんを並べてみてください。 どこで数字が分かれたかを見ると、そこが、まだチームで決まっていないことです。 「何歳から何歳までを相手にするか」が決まっていないなら、それを先に決めます。
数字が大きすぎて、自分でも信じられない。 割り戻してください。 1日あたりに直すと、たいてい無理があると分かります。無理があると分かったら、絞る条件を1つ足します。
次の回の準備にもなります
次の回は「確かめて、組み直す」です。 そこで、この回の数字を掛け算に入れます。
- 買う人の数 … この回で出した、いちばん内側の数
- 1回あたりの金額 … 第7回で決めますが、この回では仮で置きます
- 1年に買う回数 … 第3回で聞いた話から
この回で数が出ていないと、次の回の掛け算が通りません。 出しにくくても、仮でよいので数字を入れてきてください。 仮であることを書いておけば、それで足ります。
この回で出した数字は、最終回まで使い続けます。 3枚目のスライドに、そのまま入ります。そのときに「どうやって数えましたか」と聞かれます。
答えられるようにしておく方法は1つです。 いま、数字の横に出どころを書いておくことです。
次の回までにやること
このページの下に課題が5問あります。Teams から提出してください。締切は次の授業の前日の正午です。
二通りの計算を、両方とも出してきてください。 片方だけだと、突き合わせができません。
出した数字には、出どころと時点を添えてください。 この回の課題は、数字そのものより、どうやって出したかを見ています。
次の回では、この数字を掛け算に入れます。 数が出ていないチームは、仮の数字でよいので入れてきてください。
配布資料
課題
この課題について
正解が1つに決まる問題ではありません。 調べて書いても、考えて書いてもかまいません。 外れていても構わないので、まずは自分なりの答えを出してみてください。 自分で決めてから解説を読むと、そこがいちばん頭に残ります。 各問に字数の目安を添えてありますが、あくまで目安です。 ぴったり合わせる必要はありません。
- 提出は Teams の課題から
- 締切は 10月29日(木)正午
- 解説は次の回に、Teams でリンクをお知らせします
問1
最近、同じものを買っている人が思ったより多かったと感じたものを1つ教えてください。
どこでそう感じましたか。お店の行列でも、SNSで見かける回数でも構いません。
目安 150〜250字
問2
自分たちの企画で、数えるものは何ですか。 人数ですか、組数ですか、件数ですか。
そう決めた理由も書いてください。
目安 150〜250字
問3
二通りの計算をして、数が食い違ったとしたら、どちらの前提を先に疑いますか。 理由も書いてください。
食い違わなかった場合は、両方に同じ数字を使っていないかを確かめて、その結果を書いてください。
目安 150〜250字
問4
今回わかったことを踏まえて、自分たちの企画はどこが変わりましたか。 変わらなかった場合は、そのままでよいと判断した理由を書いてください。
たとえば「お金を払う人は使う人だと思っていたけれど、別の人かもしれないと気づいた」のように、前はこう思っていた/いまはこう思う、の形にすると書きやすくなります。
目安 100〜200字
問5
今回の授業で、いちばん分からなかったこと、もやもやしたことを教えてください。 課題の答えではなく、授業の内容についてです。 うまく言葉にできなければ、授業のどのあたりだったかだけでも構いません。
目安 50〜150字
この回の参考文献
政府統計の総合窓口(e-Stat)
第4回で市場を数えるときの入口です。国の統計はここに集まっていて、市区町村まで絞れる表があります。
統計こおりやま(住民基本台帳人口)
第4回で使います。地区別・1歳刻みの人口が Excel で置いてあります。国勢調査まで戻らなくても、市内の母数はここで足ります。
起業の科学 スタートアップサイエンス
この授業の14回を、そのまま長くしたような本です。課題の確認から市場の見立て、資金調達までが順に並びます。本気で始めるつもりなら、ここから。280ページ。
イシューからはじめよ[改訂版] 知的生産の「シンプルな本質」
第4回で数える相手を絞り、第9回で効く数字に順位をつけました。どちらも「何を解くか」を先に選ぶ話です。その選び方が本題の本。272ページ。編入の小論文にも効きます。