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9/28, 10/1

What Kinds of Businesses Are Out There?

Lesson content is available in Japanese only.

この授業で言う「マネジメント」が何かは、オリエンテーションのページにまとめてあります。

この回で分かるようになること

商売は、誰かがお金を払うから続く

商売と聞くと、店に商品が並んで、お客さんがそれを買う場面を思い浮かべると思います。お金を出す人と、受け取る人がその場にいて、目の前でやりとりが起きる。 いちばん分かりやすい形です。

ところが、みなさんが毎日使っているものの多くは、この形になっていません。

LINE でメッセージを送るのに、お金を払っていますか。YouTube を見るのに払っていますか。Google で検索するときはどうですか。払っていないはずです。 それでも、これらの会社はつぶれていません。それどころか、社員が何千人もいて、毎年大きな利益を出しています。

誰かが払っています。 ただ、それがみなさんではないというだけです。

似たことは、身の回りにもあります。部活の遠征でバスを借りるとき、そのお金はどこから出ていますか。 部費だけで足りていないなら、学校が出しているか、保護者会が出しているか、地域の企業が出しているかもしれません。乗っているのはみなさんですが、払っているのは別の誰かです。

商売を見るときは、「使う人」と「払う人」を最初に分けます。 ここを分けずに考え始めると、そのあとの計算が全部ずれます。

この回で覚えるのは2つだけ

新しく覚えることは2つしかありません。

  1. 誰から、何に対して お金を受け取るか
  2. 売上を 掛け算 の形に分けて書く

この2つだけです。 事例そのものを覚える必要はありません。同じ2つの考え方を、違う会社で3回見るだけです。 3回見ると、自分の企画に当てはめられるようになります。

事例として、LINEヤフー・サンリオ・カバー(ホロライブ)の3社を見ます。

「誰から」と「何に対して」を分けて書く

商売を見るときは、次の2つを分けて考えます。

When the user paysUser = PayerCompanyMoneyGoods / serviceWhen someone else paysUserCompanyPayer (advertiser)Free to useMoney
“When the user pays” is a shop or a concert ticket. “When someone else pays” is LINE or YouTube: the user and the payer are different people. Money reaches the company either way, but it comes from a different place.

なぜ2つに分けるのか。 混ぜて書くと、あとで数えられなくなるからです。

たとえば「若い人向けのアプリで稼ぐ」と書いたとします。これは「誰から」でも「何に対して」でもありません。 誰が払うのかが書かれていませんし、何と引き換えなのかも書かれていません。このまま第4回に進むと、何人いるかを数えられません。 数えるものが決まっていないからです。

分けて書くと、こうなります。

どれを選ぶかで、この先14回の中身が全部変わります。 「使う人本人から」を選べば、何人が払うかを数えます。「広告を出したい企業から」を選べば、どれだけ表示されるかを数えます。数えるものが違います。

選び直してもかまいません。 いまは仮で構いません。第3回で実際に人に聞くと、たいてい変わります。 変わったら、そのとき書き直します。

両方書いてもかまいません。 実際、これから見る3社はどれも「誰から」を複数持っています。ただし、いちばん大きいものがどれかは決めておいてください。 全部が同じ重さだと、力を入れる先が決まりません。

使う人と払う人が違うことがある

さっきの「部活の遠征費」と同じ形は、商売の中にもたくさんあります。

無料で遊べるゲーム。 ほとんどの人は1円も払いません。払っているのは、アイテムを買う一部の人です。払わない人が大勢いることが、払う人にとっての価値になっていることもあります。対戦する相手がいなければ、そのゲームは面白くありません。

学割。 映画館や定期券で、学生は安く買えます。安くしても映画館が損をしにくいのは、空いている席に人が入るほうが、空いたままより良いからです。払う額は違っても、払う人は本人です。

給食費。 食べるのはみなさんですが、材料を仕入れた業者に代金を払う窓口は、学校や市町村です。そのお金をもともと出しているのが保護者なのか、市町村や国なのかは、地域や年によって違います。間に人が挟まると、誰が払っているかが見えにくくなります。

使う人と払う人が違う形は、珍しくありません。 ただ、企画を書くときにここを混ぜると、「みんなが喜ぶけれど、誰もお金を出さない」ものができあがります。

この形はとても書きやすいので、気をつけてください。 「地域の人が集まれる場所を作りたい」「困っている人を助けたい」。やりたいことは立派で、使う人も喜びます。 ところが、そこに誰が払うのかが書かれていないと、始めた翌月から自分の財布が減っていきます。

やりたいことを変える必要はありません。 変えるのは、そこに誰が払うのかを見つけるところです。地域の人が集まる場所なら、集まった人に何かを売るのか、場所を貸すのか、自治体や企業が費用を出すのか。払う人は、たいていどこかにいます。 見つけるまでが企画です。

【考えてみてください】いま使っているものは、誰が払っているか

ここでいったん止めて、考えてみてください。

あなたが今日ここに来るまでに使ったもののうち、お金を払わなかったものを1つ思い浮かべてください。 アプリでも、道路でも、駅のトイレでも構いません。

それは誰が払っていますか。 そして、その人はあなたに何をしてほしいと思っているでしょうか。

この答えは、ここには書きません。 課題の問1がこの問いです。今日のうちに答えを出さず、家で書いてください。 授業のあいだに思いついたことがあれば、忘れないうちにメモしておくと、書くときに楽になります。

ここで迷う人が多い ①「誰から」が書けない

自分の企画で「誰から」を書こうとすると、多くの人がここで止まります。止まり方は3つに分かれます。

「自分」と書いてしまう。 「自分がお金を出して始める」と書く人がいます。これは「誰から受け取るか」ではなく「誰が出資するか」の話で、第11回で扱います。いま書くのは、始めたあとに、外から入ってくるお金のことです。

「みんな」と書いてしまう。 「みんなが買ってくれる」では、次の回で人物を描けません。全員に向けた商品は、たいてい誰にも刺さりません。 「みんな」と書きたくなったら、いちばん最初に買いそうな1人を思い浮かべてください。その人が誰かを書きます。

「まだ決まっていない」で止まる。 これがいちばん多いと思います。決まっていなくて構いません。 仮に1つ置いて、先に進んでください。第3回で実際に人に聞くと、たいてい変わります。 いま書くのは、確かめに行くための出発点です。

それでも手が動かないときの、いちばん簡単な始め方があります。 自分がこの1か月にお金を払ったものを3つ書き出してください。 そのうち1つを選んで、「同じものを、自分が売るとしたら誰に売るか」を考えます。自分が払ったことのあるものは、払う理由が分かっています。 ゼロから考えるより、ずっと早く進みます。

「その商売はもうある」と思っても、止めないでください。 すでにあるということは、払う人が実在するということです。第6回で、その相手を実際に見に行きます。誰もやっていない商売より、すでに誰かがやっている商売のほうが、確かめられることが多いです。

事例1 LINEヤフー — 無料のアプリは誰が支えているのか

ここから3つの会社を見ます。知っているつもりの会社ほど、数字を見ると意外だった、ということが起きます。

使っているところを思い出してください

LINE も Yahoo! も、LINEヤフー株式会社 が運営しています。

LINEのトーク一覧を開くと、いちばん上に広告が出ます。 友だちとのやりとりの上に、知らない会社の商品が並んでいるはずです。Yahoo! のトップページにも、検索窓の周りに広告が並びます。公式アカウントから届くメッセージにも、企業がお金を払って送っているものがあります。

これらを使うのに、みなさんは1円も払っていません。

では、誰が払っているのか

答えのひとつは 広告主 です。あの枠に自分の会社の商品を出したい企業が、LINEヤフーにお金を払っています。

「誰から・何に対して」で書くと、こうなります。

使う人(みなさん)と、払う人(企業)が違います。 これが、無料のサービスが成り立つしくみです。

ここまではよく言われる話です。数字を見ると続きがあります

2026年3月期(決算短信 2026年5月8日)の売上収益は 2兆363億6,600万円(前期比6.2%増)で、過去最高でした。

このうち、広告を含む メディア事業は7,351億円 です。

全体のうち、広告はどれくらいだと思いますか。 半分以上でしょうか。

約28%です。 4分の1と少しです。広告の売上は 5,789億円 で、会社が決算説明会で配った資料に載っています。メディア事業の残りの約1,562億円は、LINEスタンプや LINEマンガのような、広告ではない売上です。

LY Corporation: revenue by segment (FY to March 2026)Commerce (selling goods and services online)¥857.6bnMedia (mainly advertising)¥735.1bnStrategic (PayPay etc.)¥445.7bnThe biggest is commerce
Bar length is the amount itself, measured from zero.
LY Corporation: growth over the previous year (FY to March 2026)Commerce+1.1%Media (mainly advertising)+0.4%Strategic (PayPay etc.)+30.6%Advertising and commerce barely moved
Length is growth over the previous year. The rows are in the same order as the figure above.

戦略事業には PayPay などが含まれます。コンビニやドラッグストアのレジで、スマホの画面を見せて払う、あれです。

何が言えて、何が言えないか

「無料アプリのお客さんは広告主」は正しいです。実際に、広告主が約5,789億円を払っています。

「だから売上の大半は広告だ」とまでは言えません。 4分の1と少しです。広告を含むメディア事業まで広げても、3分の1と少しです。しかも伸びているのは広告ではなく、決済のほうです。

ひとつの会社の中に、いくつもの商売が同時に動いています。 LINEヤフーは「広告の会社」でも「決済の会社」でもなく、ネット通販も含めて、いくつもの商売を同時にやっている会社です。いちばん大きいのは、ネット通販などのコマース事業です。

自分の企画も、途中でこうなることがあります。 最初は1つの売り方で始めても、やっているうちに別の売り方が育つ。それは失敗ではなく、よくあることです。

ここから持ち帰ること

1つ目。 使う人が無料でも、商売は成り立ちます。払う人が別にいるだけです。

2つ目。 「たぶんこうだろう」と思っていることは、数字を見ると、思っていたよりずっと小さいことがあります。 広告が売上の大半だという思い込みは、実際には約28%でした。

3つ目。 それでも、思い込みが全部外れていたわけではありません。 広告主が払っているのは事実です。外れたのは「どれくらい」の部分です。 数字を見る意味は、当たりか外れかを決めることではなく、どれくらいかを知ることにあります。

事例2 サンリオ — 物を作らずに、キャラクターを使わせて受け取る

見たことがあるはずのもの

ハローキティやクロミを作っているのは 株式会社サンリオ です。ぬいぐるみや文房具を売っている会社だと思うのが自然です。

ところが、もう少し広く見てください。 コンビニのお菓子の袋にキャラクターが描いてあることがあります。ドラッグストアの絆創膏にも、スーパーのパンの袋にもいます。あれを作っているのは、サンリオではありません。

お菓子の会社が「この袋にキャラクターを描かせてください」と頼み、使用料を払います。 売れた分に応じて払う決め方があります。これを ライセンス(キャラクターを他の会社に使わせて、使用料を受け取るしくみ)と言います。

サンリオは、その商品を作っていません。 その商品のために、工場も店も用意しません。それでもお金が入ります。

同じ会社の中に、受け取り方が2つあります

サンリオも、ぬいぐるみは自分で売っています。 そちらと並べると、違いが見えます。

ぬいぐるみを売るとき

お菓子の袋に描かせるとき

同じキャラクターなのに、誰から受け取るかで、何に対して受け取るかが変わります。

ぬいぐるみは、作って、店に並べて、売れ残れば手元に残ります。許可のほうは、作るのも並べるのもお菓子の会社です。 サンリオが手放すものはありません。同じキャラクターを、いくつもの会社に使ってもらえます。

受け取る額は、何で決まるか

使用料を、売れた分に応じて決めている場合を考えます。お菓子がたくさん売れれば、サンリオが受け取る額も増えます。

ここには、サンリオが自分では動かせないものが入っています。 お菓子が何袋売れるかを決めるのは、お菓子の会社と、それを買う人です。だから、よく売れそうな会社に、売れそうな商品で使ってもらうことが大事になります。

なぜこう考えるとよいのかは、あとの「売上を掛け算で書いてみる」で答えます。

数字を見ます

2026年3月期(決算短信 2026年6月23日)は、売上高 1,940億8,800万円(前期比33.9%増)、営業利益 778億5,900万円(同50.3%増)。売上高も各利益も過去最高でした。

ここから持ち帰ること

1つ目。 物を作らずに稼ぐ形があります。 持っているものを使わせて、使用料を受け取ります。

2つ目。 同じものでも、誰から受け取るかで、何に対して受け取るかが変わります。 ぬいぐるみを買う人は物に、お菓子の会社は許可に払っています。

3つ目。 使用料を売れた分に応じて決めていると、自分の取り分は、相手がどれだけ売ったかで変わります。 自分だけでは決められません。

ここで迷う人が多い ②「何に対して」が書けない

「誰から」は書けたのに、「何に対して」で止まる人がいます。止まり方は2つです。

商品の名前を書いてしまう。 「Tシャツに対して」と書く人がいます。間違いではありませんが、そこで止まると次に進めません。 買った人は、布に対してお金を払ったのでしょうか。「そのTシャツを着ている自分」に払ったのかもしれませんし、「イベントに行った記念」に払ったのかもしれません。 サンリオの例で言えば、お菓子の会社が払ったのは絵そのものではなく、「その絵があると売れる」という見込みに対してです。

「サービス」と書いてしまう。 「便利なサービスに対して」では、何も言っていないのと同じです。便利さのどこにお金を払ったのか。 早いことですか。近いことですか。失敗しないことですか。 そこまで書けると、第6回で相手と比べるときに使えます。

うまく書けないときは、逆から考えてみてください。 その人がお金を払わなかったとしたら、代わりに何をしますか。自分でやりますか。我慢しますか。別の店に行きますか。 そこで諦めているものが、「何に対して」の中身です。

もう1つの手があります。 その人が払ったあとに何が変わるかを書く、という考え方です。写真を撮ってもらった人は、撮ってもらう前と後で何が変わりましたか。 手元にデータが増えたことでしょうか。それとも、その日一日が特別になったことでしょうか。 変わったもののほうが、「何に対して」に近いです。

ここで書いたものは、第2回でもう一度使います。 第2回では、9つのマスのうち「価値提案」というところに、これを書き写します。いま書いておくと、次の回で手が止まりません。

自販機の会社が受け取った約150円は、4つに分かれて出ていきます

自販機で飲み物が1本売れたところを、売った会社の側から見てみてください。 会社は1本ぶんとして約150円を受け取ります。でも、そのお金は会社の手元にはとどまりません。

Where the money a company takes in for one can goes (FY to December 2025)Company takes inabout ¥150CMaking the drink−¥50FTo the spot's owner−¥30CPayment fee−¥1FRunning the machinerefills, depots, repairs−¥65CCompany keeps¥4CNo number here is an A. Every one is worked backwards or estimated.Confidence: A primary source / B industry norm / C worked backwards / F Fermi estimate
One can is an average: a case counted as 24 cans, whatever their size, with discounts and free giveaways mixed in. Bar length is proportional to the amount, measured from zero at the left.

飲み物を作るお金。自販機を置かせてくれた人へのお金。決済の手数料。 そして、補充に回る人と車、営業所、修理のように、自販機を動かし続けるためのお金。 受け取った約150円のうち、会社に残るのは4円ほどです。ただし、約150円も4円も、決算の数字から割り算や推定で出したものです。 図の中の C と F の記号が、それぞれの出どころを表しています。

出ていった先も、それぞれ何かに対してお金を受け取っています。 自販機を置かせてくれた人は場所に対して、決済のしくみを持っている会社は支払いのしくみに対して。1本の飲み物のお金を、何人もが別々の理由で受け取っています。「誰から」は1人でも、「何に対して」は1つとはかぎりません。

全国のサントリーの自販機で、1本900円(税込)で売られた缶もあります。 中身はウーロン茶です。何に対して払っているかが違うからで、第6回で見ます。

自分の企画でも、同じことが起きていないか見てみてください。 受け取る側が1つだと思っていたら、あいだに誰かが入っているかもしれません。

事例3 カバー(ホロライブ) — 直感が数字と合わない

画面に流れる、色のついたコメント

配信の画面に流れる、色のついたコメント。あれが投げ銭(スーパーチャット)です。 金額によって色が変わって、しばらく画面に残ります。

見たことがある人は多いと思います。 そして、「VTuber はスパチャで稼いでいる」というイメージがあるはずです。

この直感が、数字と合いません。

数字を見ます

ホロライブを運営する カバー株式会社 の2026年3月期(決算短信 2026年5月14日)の売上高は 493億3,000万円 で、前期比 13.7%増 でした。伸びています。

ところが分野ごとに見ると、こうなっていました。

COVER, year to March 2026: revenue by segmentMerchandiseabout ¥23.7bnLive eventsabout ¥9.2bnStreaming (tips etc.)about ¥9.1bnLicensing / tie-insabout ¥7.2bnThe biggest is merchandise
Bar length is the amount itself, measured from zero.
COVER, year to March 2026: growth by segment (YoY)Merchandise+15.6%Live events+18.7%Streaming (tips etc.)-2.0%Licensing / tie-ins+25.3%0Of the four, only streaming shrank
The vertical line is zero. Bars to the right grew; bars to the left shrank. The rows are in the same order as the figure above.

大きさで見ると、順番が入れ替わります。 同じ決算短信で、いちばん大きいのはグッズの販売の約237億円で、全体の約半分です。配信は約91億円で、全体の18.5%でした。

「誰から」で書き直すと

「誰から」が4つあります。 そして、減っているのは1つ目だけです。

もし「誰から」を1つしか書いていなかったら、この会社は縮んでいるように見えたはずです。分けて書いたから、伸びている場所と減っている場所が別々に見えました。

ここから持ち帰ること

1つ目。 いちばん目立つものが、いちばん稼いでいるとは限りません。 画面に流れる投げ銭は誰の目にも入りますが、配信の売上は全体の18.5%でした。いちばん大きいのはグッズの販売です。

2つ目。 「誰から」を分けて書いておくと、どこが伸びてどこが減ったかが別々に見えます。 1つにまとめて書いていたら、この会社は「伸びている」で終わっていました。

3枚を並べると、何が見えるか

3つの会社を見ました。覚えてほしいのは会社の名前ではなく、3つに共通していることです。

どの会社も、「誰から」が1つではありません。

そして、どの会社も、いちばん目立つ稼ぎ方の先に、別の稼ぎ方がありました。

What you see, and what lies beyond itLY CorporationVisibleAdvertisingBeyondPaymentsSanrioVisibleThe shopsBeyondLicensingCOVERVisibleTips on streamBeyondCollaborations, live events, merchandiseIn these three, the visible part was the cheap entrance
In all three, beyond the part you notice, there was another way of selling.

この3社では、同じ形になっていました。 入口が広いほど人が来ます。ところが、この3社では、入口で払う額が小さかった。無料だったり、安かったりします。その先で、別の形でお金が入っていました。

だからニュースの見出しだけでは、その会社が何で稼いでいるかは分かりません。 見出しは目立つほうを書きます。決算短信は、お金の流れのほうを書きます。

自分の企画でも同じことが起きます。 自分がいちばん作りたいものと、いちばんお金が入るものが違うことがあります。そのときに気づけるように、「誰から」を1つに絞らずに書いておいてください。

売上を掛け算で書いてみる

「誰から」「何に対して」が分かったら、次は 売上を掛け算の形に分けます。事例2で「受け取る額は、何で決まるか」と問いました。その答えが、この節です。

Revenue=How many sold×Price for each oneFor exampleGoodsbuyers × amount per personLivetickets sold × price per ticketAdstimes shown × price per viewWhich one you grow changes what you do
All three share one shape; only the two factors change. Try fitting your own idea into it.

なぜ掛け算にするのか。 「売上を増やす」と言っただけでは、明日やることが決まらないからです。

分けると、増やせる場所が別々に見えます。

“Grow revenue” means three different jobsEffortMore buyersGet known; widen your reachCosts the most time and moneyMore per purchaseRaise the price; add something alongsideYou can start todayMore oftenGet them to come backThey already know you
The bar on the left is effort. Which one you pick changes what you do tomorrow — and starting with the cheapest tells you sooner whether it works.

同じ「売上を増やす」でも、3つはまったく別の仕事です。

掛ける数が3つになることもある

サブスクリプション(毎月お金を払い続けて使い続けるしくみ)なら、こうなります。

売上 = 会員数 × 月額 × 続いた月数

「続いた月数」が入るのが、この形の特徴です。 1人が1年続けば、1か月でやめる人の12倍になります。だから、この形の商売は「やめさせないこと」に力を入れます。

みなさんが使っている月額のサービスを思い浮かべてください。やめようとしたときに、引き止められた経験はありませんか。 あれは、この掛け算の3つ目を守るためです。

3つの会社を掛け算にすると

さっきの3社を、この形に当てはめてみます。

自分の企画も、たいていこの形になります。 ならないとしたら、まだ「何に対して」が決まっていません。

ここで迷う人が多い ③ 掛け算に分けられない

うまく分けられなくてもかまいません。 ただ、詰まり方には種類があります。

掛けるものが思いつかない。 「売上 = ? × ?」で止まる場合、たいてい単位が決まっていません。 1回いくらなのか、1人いくらなのか、1個いくらなのか。お金が動く単位を1つ決めてください。 ここが決まれば、掛ける相手は自然に出ます。

掛けても合わない気がする。 「1日10人 × 1,000円 × 300日」と出したものの、そんなに来る気がしない、という場合。その感覚のほうが正しいことが多いです。 ただ、いま直さなくて構いません。第4回で実際に数え、第5回で合わせます。 いまは形を作るところまでです。

分けると小さく見えて、書きたくない。 これもよくあります。小さく出ることは失敗ではありません。 大きく見える数字を書いて第5回で崩れるより、小さくても自分で説明できる数字のほうが、最後まで使えます。

分ける前に、いくらか決めてしまう。 「月に30万円くらい欲しい」から逆算して、人数と単価を作ってしまう場合。逆算そのものは悪くありません。 ただ、そうやって出した人数を、第4回で「本当にそれだけいるか」と数え直してください。 欲しい額から出した数字は、確かめた数字ではありません。

詰まった場所が、その商売のいちばん難しいところです。 覚えておいて、第3回で人に聞くときの材料にしてください。「どこで詰まったか」を書き留めておくと、聞く相手も、聞くことも決まります。

自分の企画で、順番にやってみる

ここまでの2つを、自分の企画に当てはめます。順番があります。

Do it in this order1Write what you want to do, in one lineIt need not look like a business yet2Write who paysIf the user and the payer differ, write both3Write what they pay forWhat do they get in exchange?4Turn it into a multiplicationHow much per sale, and how many timesStart at 4 and you invent the number first, the reason after
Work down from one and every number arrives with a reason. Wherever you cannot fill a blank, that is what to think about next.

この順番を守ってください。 1から順に書けば、数字に理由が付きやすくなります。

1文で書けたら、この回は通っています

最後に、こう書けるかを確かめてください。

わたしの企画は、〇〇な人から、△△に対して、お金を受け取ります。

空欄が埋まらないところがあれば、そこが次に考えるところです。 全部埋まっている必要はありません。

うまく書けないときは

書けないのは、考えていないからではありません。 たいてい、まだ決めていないだけです。

決まっていないときは、仮に1つ置いて、印を付けておいてください。 「たぶんこうだと思うが、確かめていない」と書いておけば、第3回でそこを聞きに行けます。

この授業では、14回かけて何度も書き直します。 いま書いたものが最後まで残ることは、まずありません。書き直した回数のほうが、最後には効いてきます。

最終回で、第1回に書いたものと見比べます。 そのとき「全然違うものになった」と言えるほうが、確かめながら進んだ証拠になります。 いま完成させようとしなくて大丈夫です。

次の回までにやること

このページの下に課題が5問あります。Teams から提出してください。締切は次の授業の前日の正午です。

問1が、さっきの「誰が払っているか」です。 授業中に考えたことがあれば、それを書いてください。授業で挙げたものでも、別のものでも構いません。

問4で、自分がやってみたい商売を1文で書きます。 このページの「1文で書けたら、この回は通っています」の形をそのまま使ってください。まだぼんやりしていて大丈夫です。

次の回では答えを持ち寄り、チームと題材を決めます。このページは、そのあとも開きに来てください。 第2回で「価値提案」を書くとき、第4回で数える単位を決めるとき、ここで書いた「誰から・何に対して」に戻ります。

Handouts

Assignment

この課題について

正解が1つに決まる問題ではありません。 調べて書いても、考えて書いてもかまいません。 外れていても構わないので、まずは自分なりの答えを出してみてください。 自分で決めてから解説を読むと、そこがいちばん頭に残ります。 各問に字数の目安を添えてありますが、あくまで目安です。 ぴったり合わせる必要はありません。

  • 提出は Teams の課題から
  • 締切は 9月30日(水)正午
  • 解説は次の回に、Teams でリンクをお知らせします

問1

あなたがふだん無料で使っているサービスを1つ挙げてください。その会社は、誰からお金を受け取っていると思いますか。

そのうえで、その会社はあなたに何をしてほしいと思っているでしょうか。お金を払っていないあなたに、会社が何を期待しているのかを考えてみてください。

目安 150〜250字

問2

LINEヤフー株式会社の2026年3月期の決算短信では、広告を含むメディア事業の売上収益は7,351億円で、前の年から0.4%増でした。全体の約36%です。PayPayなどの決済を含む戦略事業は4,457億円で、30.6%増でした。 もしあなたがLINEヤフーの社長なら、これからどちらに力を入れますか。理由も書いてください。

目安 150〜250字

問3

ホロライブを運営するカバー株式会社の2026年3月期の決算短信では、売上が13.7%伸びたのに、営業利益は11.8%減っていました。売上が伸びれば利益も伸びる、とは限らないのはなぜだと思いますか。

そのうえで、あなたがやってみたい商売でも同じことが起きるとしたら、どんなときだと思いますか。売れているのに手元に残らない、という場面を想像してみてください。

目安 150〜250字

問4

あなたが今いちばんやってみたい商売は、誰から、何に対してお金を受け取りますか。まず1文で書いてみてください。

そのうえで、その人はいま、それをどうやって済ませていますか。 あなたの商売がまだ無い状態で、その人が同じ用事をどう片づけているかを書いてみてください。

目安 100〜200字

問5

今回の授業で、いちばん分からなかったこと、もやもやしたことを教えてください。 課題の答えではなく、授業の内容についてです。 うまく言葉にできなければ、授業のどのあたりだったかだけでも構いません。

目安 50〜150字

Submit through the assignment in Teams.

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