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10/16(振替予定)・10/19・10/23
欲しい人は本当にいるのか
この回で分かるようになること
- 自分たちの企画を説明せずに、相手の話を聞けるようになる
- 過去の出来事をたずねる質問を、自分で3つ書けるようになる
- 聞いた話と、前の回に描いた人物像の違いを言えるようになる
この回で覚えるのは2つだけ
新しく覚えることは2つしかありません。
- 自分たちの企画を言わない
- 未来ではなく、過去に起きたことを聞く
この2つだけです。 このあと質問の文例がたくさん出てきますが、覚えるものではありません。 聞きに行くときにこのページを開いて、そのまま読んで構いません。
前の回に描いた人は、まだ想像の人
前の回で、買ってくれる人を一人の人物として描きました。あれは仮説です。 話を聞いていない人物は、想像上の人のままです。
想像で描いた人物像は、たいてい自分に似ます。自分が困っていることを、自分と同じくらいの年齢の人が、自分と同じように困っている。そう書いてしまいます。似ているかどうかは、会ってみないと分かりません。
自分に似た人物像になっているかどうかは、その場で確かめられます。 前の回に書いた人物像を読み返して、年齢・住んでいるところ・使っているもの・困っていることの4つが、自分と何個ちがうかを数えてください。 4つとも同じなら、それは自分です。1つか2つしかちがわないときも、たいていは自分です。
自分を書いてしまうのは、悪いことではありません。 自分のことなら細かく書けるからです。ただし、自分は1人しかいません。 同じ困りごとを持つ人がほかにもいるかどうかは、聞かないと分かりません。
この回でやることは1つだけです。実際に人に会って、確かめてきます。
顧客開発(お客さんのことを段階を追って確かめていく進め方)をまとめた Steve Blank が繰り返し言っているのは、建物の中に事実はない、外に出よ、ということです。教室で話し合って出てくるのは意見です。事実は、外にいる人が持っています。
この回は3コマあります。 1コマ目で誰に何を聞くかを決め、あいだの数日で実際に聞き、3コマ目に持ち寄ります。あいだの数日が、この回のいちばん長い時間です。
確かめに行くことを、先に1つ決める
前の回で9つのマスを埋めました。全部を確かめに行くと、何も確かめられません。 外れたら企画が成り立たなくなるマスを、チームで1つだけ選びます。多くの場合、顧客セグメントか、その人が困っていることのどちらかになります。
選び方は、こう考えると決まります。そのマスが外れていたら、企画の残りも書き直しになるか。 なるなら、それが今回の1つです。ならないなら、まだ先で構いません。
たとえば「一人暮らしを始めたばかりの学生が、夕食の献立を決められなくて困っている」と書いたとします。ここで外れると困るのは、「献立を決められない」のほうです。 一人暮らしの学生は確かにいます。でも、その人が本当に献立で困っているかは、まだ誰も確かめていません。
質問は、書くだけでなく声に出す
選んだら、それを確かめる質問を3つ書きます。1コマ目に、その場で声に出してみます。
書いただけの質問は、たいてい未来を聞いています。 紙の上では自然に見えるのに、声に出すと不自然に聞こえます。「もしそういうサービスがあったら、使うと思いますか」。文字で見ると普通ですが、口に出すと、相手に「はい」と言わせにいっているのが分かります。
声に出して直す時間を、授業の中に取ってあります。 直すのはその場で構いません。
さきほどの例で、質問を3つ書いてみます
確かめたいのは、「夕食の献立を決められなくて困っている」の部分です。
まず、よくない3つ。
- 献立を決めるアプリがあったら、使いますか
- 献立を考えるのって、大変じゃないですか
- 週にどれくらい料理しますか
1つ目は未来を聞いています。2つ目は、こちらが期待している答えを質問の中に入れています。3つ目は「ふだん」をたずねているのと同じで、まとめた答えが返ってきます。
同じことを、過去でたずねてみます。
- 昨日の夕食は何でしたか。どうやって決めましたか
- いちばん最近、夕食を決めるのに困ったのはいつですか。そのとき、どうしましたか
- この1週間で、外で買って済ませたのは何回ですか
3つとも、思い出せば答えられます。 考えないと答えられない質問が1つでも混ざっていたら、そこを書き直します。
自分たちの企画を、相手に言わない
この回でいちばん大事な規律です。聞きに行くとき、自分たちの企画を説明しません。
説明したくなります。せっかく考えたのだから、聞いてほしい。でも、言った瞬間に相手の関心が切り替わります。
言った瞬間に、相手の中で何が切り替わるか
相手は、あなたを応援したいからです。だから、企画を言わずに聞きます。
『The Mom Test』という本は、この一点だけを扱っています。自分のアイデアを口にするのを避けるだけで、質問は自然に良くなる。 これが本書の中心にある主張です。
では、何と言って始めるのか
企画を言わないまま話を始めるのは、最初は難しく感じます。言い方を先に決めておけば、その場で困りません。
- 「授業で、みんながふだんどうしているかを調べていて。15分だけ話を聞かせてほしい」
- 「夕食の話を聞きたくて。作る人がどうしているのか知りたいだけで、何かを売りたいわけじゃない」
「何を作っているか」を言わずに、「何を知りたいか」だけを言います。 相手が「で、何のために?」と聞いてきたら、「授業の課題で、まだ何も決まっていない」と答えれば足ります。嘘ではありません。 決まっていないから、確かめに行くのです。
言ってしまったときは、そこから立て直す
言わないつもりでも、話の流れで言ってしまうことがあります。そこで終わりにしなくて構いません。
言ってしまったあとの感想は、もう当てになりません。 でも、そのあとに聞くことはできます。こう切り替えます。
- 「いま言ったのは忘れて。それより、最後にそれで困ったのっていつ?」
相手は、あなたが何を作ろうとしているかを知ってしまいました。 それでも、過去に実際に起きたことなら、まだ本当のことが返ってきます。 起きたことは、自分たちの企画とは関係なく起きているからです。
言ってしまったことは、メモに書いておいてください。 あとで読み返すときに、どこから先が影響を受けている答えなのかが分かります。
ここで迷う人が多い ① 相手の前で、言葉が出てこない
止まり方は、だいたいこの3つです。
1つ目。最初の一言が出てこない。 上の切り出し方を、そのまま声に出して構いません。紙を見ながらで大丈夫です。 「授業の課題で聞いていて」と前置きしてあれば、紙を見ることは少しも不自然ではありません。
2つ目。企画を言いたくなって、我慢しているうちに黙ってしまう。 言いたくなったら、その気持ちを質問に変えてください。「こういうのがあったら便利じゃない?」と言いたくなったら、「いま、それってどうやってる?」に置き換えます。 確かめたいことは、どちらも同じです。
3つ目。相手が短く答えて、会話がそこで終わる。 「そのとき、どうしましたか」と足します。この一言だけで、たいてい続きます。 続けるための質問は、あとの「ここで迷う人が多い ②」に6つまとめてあります。
「買いますか」と聞かない
左は、どれも未来のことを聞いています。人は自分の未来を、実際より良く見積もります。 ある研究では、「いくらなら払うか」と仮定でたずねて得た金額が、実際に払う額より平均で約21%高く出ました(Schmidt & Bijmolt, 2020)。
この21%は、嘘をつかれた結果ではありません。 答えた人は正直に答えています。それでも、実際に財布を開ける場面になると、金額は下がります。 未来のことは、誰にとっても、まだ本当のことではないからです。
右は、どれも過去に起きたことを聞いています。過去は変えられないので、盛りようがありません。「先週、それに何回お金を使いましたか」という問いに、良い答えも悪い答えもありません。
「ふだん」も避けます
「ふだんどうやって選んでる?」と聞くと、相手は自分の行動をきれいにまとめて答えます。 本人にその気がなくても、まとめた時点で、実際とは違うものになります。
「いちばん最近」に変えるだけで、実際の一回が出てきます。 「いちばん最近それを買ったとき、どうやって選んだ?」。ここには、まとめる余地がありません。
もう一段、聞き方を試してみます。「もっと安ければ使うよね?」。 この質問には、どんな答えが返ってくると思いますか。
ほぼ「うん」です。 質問の中に、期待している答えがすでに入っているからです。言いかえるなら、「いまのやり方をやめたいと思ったことはある? あるなら、それはいつ?」になります。
【考えてみてください】最後に「買ってよかった」と誰かに言ったのは、いつのことですか
何を、誰に、どんな場面で言ったか。思い出してみてください。
すぐには出てこなかったのではないでしょうか。過去の具体的な一回を思い出すのは、聞かれた側にとっても手間のかかることです。
だから、聞くときは待ちます。相手が黙っている時間は、思い出している時間です。 ここで「たとえば、こういうことない?」と助け舟を出すと、あなたが出した例に相手が乗ってしまいます。黙って待つのも、この回の技術のうちです。
この問いの答えは、このページのどこにも書いていません。授業で聞きます。
場面別に、言いかえてみます
ここから先は、聞きに行く前の晩に開いてください。 そのまま口に出せる形にしてあります。
矢印の左が、言わないほうがいい聞き方です。右の濃い字が、言いかえです。 同じことを確かめたいのに、返ってくるものが変わります。
場面1 友達に、買ったものの話を聞く
- こういうアプリ、いいと思わない? → 最近、それで困ったことってあった? いつのこと?
- これ、あったら買う? → いま同じことを、どうやって済ませてる?
- ふだんどうやって選んでる? → いちばん最近それを買ったときのこと、話してくれる?
矢印の左はどれも、相手に判定を求めています。 良いか悪いか、買うか買わないか。友達は判定を求められると、良いほうに寄せます。矢印の右はどれも、思い出すことだけを求めています。
場面2 バイト先の人に、仕事のやり方を聞く
- この機能、便利だと思わない? → 最後にそれをやったとき、どこがいちばんめんどくさかった?
- 使いにくくなかった? → その作業、どこが簡単で、どこが大変でした?
- この問題、大きな問題だよね? → それが起きると、実際どのくらい困りますか。時間で言うと?
バイト先は、事実がいちばん出やすい場所です。 手順が決まっていて、毎日繰り返しているからです。相手も、その作業を何十回もやっているので、細かいところまで覚えています。 「どこが簡単で、どこが大変か」を両方たずねるのが要点です。 大変なところだけを聞くと、相手は大変なところを探して答えてくれます。
場面3 家族に、お金の使い方を聞く
- いくらなら払う? → それに今いくら払ってる? 時間はどれくらいかかってる?
- 週に何回くらい使うと思う? → 直近の1週間で、実際に何回やった?
- みんな困ってるって聞くけど、うちもそう? → 最後にそれで困ったのは、いつ?
家族は、いちばんお世辞を言う相手です。 それでも、すでに払っている金額と、実際にやった回数は、お世辞になりません。 家計の細かいところまで踏み込む必要はありません。「その定期券、月にいくら?」くらいで十分です。
場面4 同じ学校の人に、通学や部活の話を聞く
- 私だったら不便だと思うんだけど、どう? → そのとき、どう思った?
- もっと安ければ使うよね? → いまのやり方をやめたいと思ったことはある? あるならいつ?
- うちの案、すごくない? → その作業、そもそも何のためにやってるの?
いちばん上の言いかえは、たった一言の違いです。 「私だったら」を外すだけです。自分の感想を先に置くと、相手はそれに賛成するか反対するかしか選べなくなります。
場面5 「いいと思う」で止まってしまったとき
いちばん多い場面です。相手は褒めてくれています。でも、確かめる材料にはなりません。
ここで、次に何と言うか。予想してみてください。
過去に引き戻します。 こう返します。
- 「そう言ってもらえてうれしい。ちなみに、似たようなことで最近困ったのっていつ?」
- 「いま、それってどうやってる?」
褒め言葉を否定しません。 いったん受け取ったうえで、過去の一回に話を移します。ここで「本当に?」と聞き返すと、相手は責められたと感じます。
場面6 「こういう機能もあれば」と言われたとき
これも多い場面です。要望をそのまま持ち帰らないでください。 要望は、相手がその場で考えた思いつきです。
要望が出たら、その裏側にある出来事を聞きます。
- 「それがあったら、どういうときに使いそう? 直近でそういう場面あった?」
- 「いまは、その場面でどうしてる?」
場面が出てこなければ、その要望は置いておきます。 場面が出てきたら、要望ではなく、その場面のほうを書き留めます。 要望は消えても、困りごとは残ります。
同じ形の要望が何人からも出たときは、要望のほうではなく、その裏側を見てください。 別々の人が同じ思いつきに行き着いたなら、もとになっている困りごとが共通している可能性があります。
6つの場面に共通していること
矢印の左はどれも、相手に判定か予想をさせています。 良いか悪いか、買うか買わないか、いくらなら払うか。どれも、相手の頭の中にしかありません。
矢印の右はどれも、相手に思い出すことだけをさせています。 いつ、何回、いくら、どうやって。どれも、実際に起きたことです。
迷ったら、この一点で判断してください。 その質問は、相手に思い出させているか、それとも考えさせているか。
自分が書いた質問を、その場で直す
3つの手順で直せます。声に出す前に、紙の上でできます。
1つ目。文の終わりを見ます。 「〜と思いますか」「〜しますか」で終わっていたら、未来か意見をたずねています。「〜しましたか」に変えられないか、試してみてください。
2つ目。自分の考えが入っていないか見ます。 「便利じゃないですか」「大変ですよね」。こうした言葉が入っていたら、それはあなたの判定です。 抜きます。
3つ目。「はい」か「いいえ」で終わらないか見ます。 終わるなら、そのあとに続ける一言を、あらかじめ書き添えておきます。「そのとき、どうしましたか」を足しておけば、その場で詰まりません。
ここで迷う人が多い ② 3つ目の質問で、会話が終わる
用意した3つを聞き終えて、そこで黙ってしまう。よくあります。
聞くことに詰まったら、この6つが使えます。
「なぜ」は言いかえておくと安全です
「なぜそうしたんですか」は、聞き方によっては責められているように届きます。 とくに、相手が手間のかかるやり方をしている話のあとだと、そう聞こえやすくなります。
「何がきっかけで」に変えると、同じことが聞けます。 「何がきっかけで、そのやり方にしたんですか」。責める響きが消えて、経緯が返ってきます。
相手が何を差し出したかを見る
話が盛り上がっても、それだけでは分かりません。
『The Mom Test』も同じことを言っています。どんなに良い言葉でも、相手が何も差し出していないなら数えない。 ここが判断の基準になります。
3つとも差し出されなかったときは、どう考えるか。 その人は対象ではないのかもしれませんし、聞き方が届いていないのかもしれません。どちらなのかは、2人目・3人目に聞けば分かります。 同じことが続けて起きるなら、聞き方のほうを直します。1人だけなら、その人が対象ではなかっただけです。
ここで迷う人が多い ③ 盛り上がったのに、書くことがない
楽しく話せたのに、あとでメモを見ると事実が1つも書いていない。 これも、よくあります。
止まり方は3つです。
1つ目。相手の感想しかメモしていない。 「便利そうって言ってた」「みんな困ってるらしい」。どちらにも、いつ・何回・いくらが入っていません。 次に聞くときは、答えの中に日付か数が出てくるまで、もう一段たずねてください。
2つ目。自分が話しすぎた。 楽しかったのは、自分がしゃべったからかもしれません。目安として、相手が話している時間のほうが長ければ、たぶん大丈夫です。
3つ目。何も差し出されていないことに、気づいていない。 別れぎわに「また今度」と言われただけなら、それは差し出されていません。日にちが決まっていれば、差し出されています。
何人に聞けばいいのか
決まった数はありません。 条件が違うと、必要な数も変わります。
「5人でいい」と書いてあるのを見かけたら
この回でやろうとしているのは、操作しやすさのテストとは別のことです。 欲しい人がそもそもいるのかを確かめています。前提が違うので、同じ数字をそのまま持ってくることはできません。
この授業では、一人あたり3人から5人。 クラス全体では40件から60件になります。
チームの中で、聞く相手が重ならないようにしてください。 3人が同じ友達グループに聞くと、人数は増えても、返ってくる話は1種類です。分担するときは、まず「誰に聞くか」を出し合ってから決めます。
切り上げどき
数より、切り上げどきのほうが役に立ちます。同じ話が何度も出てきて、新しい話が出なくなったら、そこで十分です。
逆に、3人目まで全員が違う話をしたなら、まだ足りていません。 聞く相手がばらばらすぎるか、確かめたいことが決まっていないかのどちらかです。そのときは、人数を増やす前に、聞く相手を絞り直してください。
同じ話が3人から出たら、それは持ち寄る価値のある事実です。 3コマ目に「3人に聞いて、3人とも同じことを言った」と言えると、チームの話が早く進みます。何人中何人かを、必ず一緒に書き留めておいてください。
身近な人に聞くとき
聞く相手は、友達や家族、バイト先の人になると思います。いちばん近い人が、いちばんお世辞を言います。 応援したいからです。
それでも、聞く意味はあります。過去の事実だけをたずねていれば、身近な人でも本当のことしか言えません。 「先週それを何回やった?」に、お世辞の入る余地はありません。
断りやすい形で頼む
時間を先に伝えて、断ってよいことも一緒に伝えます。 「授業の課題で15分だけ話を聞きたい。いつでも断っていいよ」。
メモや録音は、そのつどたずねます。 「メモを取っていい?」と聞いて、嫌がられたらメモだけにします。名前は書き留めません。 聞いた内容は、授業の中だけで使います。
頼まないでおく相手
バイト先の店長や先輩のように、断りにくい相手には頼まないでおきます。 立場の違いがあると、相手は断れません。断れない相手から得た「はい」は、いちばん当てになりません。
家庭の事情のように、踏み込まないほうがいい話題もあります。 相手が話したがっていないと感じたら、そこで引いてください。話を1つ取り逃すより、そのほうが大事です。
聞いた話を、どう書き留めるか
その場では、相手の言葉をそのまま書きます。 要約しません。要約した時点で、あなたの解釈が入ります。
書き留めるものは2種類あります。たとえば、こんなふうになります。
- 相手の言葉そのまま … 「毎週日曜にまとめて決めてる」「結局コンビニで済ませちゃう」
- いつ・何回・いくら … 「先週は3回」「月に2千円くらい」
数は、相手が言ったとおりに書きます。 きりのいい数に丸めません。「だいたい」と言われたら、「だいたい」も一緒に書きます。
3行目だけカッコが付いているのは、そこだけが自分のものだからです。
別れたらすぐ、その場で書き足してください。 家に着くころには、細かいところが消えています。
自分たちの企画で、順番にやってみる
3人に聞けたら、この回は通っています
うまい質問ができたかどうかではありません。 3人の話を、相手の言葉のまま持って帰れたら十分です。
うまくいかないときは
相手が見つからない。 まず、この1週間で話した人を思い出してください。新しく探すより、すでに話す関係のある人のほうが早いです。
断られた。 断られるのは普通のことです。断ってよいと伝えたのだから、断られたのは、伝え方が正しかったということでもあります。 次の人に行ってください。
時間が取れない。 15分がまとまって取れないなら、5分を3回でも構いません。同じ人に、日を分けて聞いてもかまいません。 前に聞いた話の続きから始められるので、かえって深く聞けることがあります。
聞いてみたら、その人は困っていなかった。 それは失敗ではありません。この人は対象ではなかった、という事実が1つ増えています。 3コマ目に、そのまま持ってきてください。
次の回までにやること
このページの下に課題が5問あります。Teams から提出してください。締切は3コマ目の前日の正午です。
聞いた話は、相手の言葉そのままと、いつ・何回・いくらという事実を書き留めておいてください。自分の感想は、カッコで分けておくと、持ち寄るときに混ざりません。
3コマ目に、全員の話を持ち寄ります。前の回の人物像が外れていたと分かるのが、この回の成果です。 外れていたと分かったチームのほうが、次の回で先に進みます。
配布資料
課題
この課題について
正解が1つに決まる問題ではありません。 調べて書いても、考えて書いてもかまいません。 外れていても構わないので、まずは自分なりの答えを出してみてください。 自分で決めてから解説を読むと、そこがいちばん頭に残ります。 各問に字数の目安を添えてありますが、あくまで目安です。 ぴったり合わせる必要はありません。
- 提出は Teams の課題から
- 締切は 10月22日(木)正午
- 解説は次の回に、Teams でリンクをお知らせします
問1
友達に「これいいよ」とすすめたことがあるものを1つ教えてください。
そのうえで、その友達の何を知っていたから、すすめようと思いましたか。 ふだんの好みでも、そのとき困っていたことでも構いません。
目安 150〜250字
問2
実際に話を聞きに行ったときに使った質問を、3つそのまま書いてください。 言い回しも、そのときのままで構いません。
そのうえで、いちばん具体的な話が返ってきたのはどれでしたか。 なぜその質問だとうまくいったと思うか、ひとこと添えてください。
質問3つ+目安 150〜250字
問3
第2回で、買ってくれる人を一人の人物として描きました。
実際に聞いた話は、その人物像とどこが違いましたか。 同じだったところがあれば、それも書いてください。
聞く相手が見つからなかった場合は、そのことと、どこで止まったかを書いてください。それも報告として成り立ちます。
目安 150〜250字
問4
今回わかったことを踏まえて、自分たちの企画はどこが変わりましたか。 変わらなかった場合は、そのままでよいと判断した理由を書いてください。
たとえば「お金を払う人は使う人だと思っていたけれど、別の人かもしれないと気づいた」のように、前はこう思っていた/いまはこう思う、の形にすると書きやすくなります。
目安 100〜200字
問5
今回の授業で、いちばん分からなかったこと、もやもやしたことを教えてください。 課題の答えではなく、授業の内容についてです。 うまく言葉にできなければ、授業のどのあたりだったかだけでも構いません。
目安 50〜150字
この回の参考文献
The Mom Test: How to Talk to Customers & Learn if Your Business is a Good Idea When Everyone is Lying to You
第3回の「自分のアイデアを言わない」「過去の事実を聞く」は、この本のものです。
Customer Development / Customer Discovery(steveblank.com の記事群)
「建物の中に事実はない、外に出よ」の出どころです。本人が書いています。
Leading Questions Can Skew Your Research Results
誘導尋問がなぜ答えを歪めるかを、短くまとめた記事です。読みやすい長さです。
How Many Test Users in a Usability Study?
「5人でいい」という話の出どころです。操作を観察する調査の話で、聞き取りの人数ではありません。
Accurately measuring willingness to pay for consumer goods: a meta-analysis of the hypothetical bias
第3回の「約21%高く出る」の出どころです。77の調査(47本の論文)から115の結果を集めて平均した数字。誰でも読めるように公開されています(英語)。
たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング
第3回でやった「一人に聞く」を、仕事として続けている人の本です。なぜ大勢のアンケートより一人の話なのかが、実務の側から書いてあります。240ページ。
リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす
この授業の進め方そのものの下敷き。作る前に確かめ、外れたら組み直すという考え方が、どこから来たかが分かります。408ページ。
起業の科学 スタートアップサイエンス
この授業の14回を、そのまま長くしたような本です。課題の確認から市場の見立て、資金調達までが順に並びます。本気で始めるつもりなら、ここから。280ページ。
ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム
第6回の「相手は同業とはかぎらない」を、まるごと1冊にしたもの。人は商品を買うのではなく、片づけたい用事のために何かを雇うという見方です。392ページ。