はじめてのマネジメント第5回

05

11/2・11/6

確かめて、組み直す

この回で分かるようになること

この回で覚えるのは2つだけ

  1. 成り立つかどうかは、掛け算1本で見る
  2. 調べた数字は動かさない

この2つだけです。 細かい計算は第8回でやります。この回では、大きく成り立つかどうかだけを見ます。

1つ目は、やり方です。 数字がいくつあっても、見るのは掛け算1本と、かかるお金1つ。この2つを並べるだけです。

2つ目は、規律です。 そして、この回でいちばん破られやすいところでもあります。 計算が合わないと、人は数字のほうを直したくなります。直してよい数字と、直してはいけない数字があります。 その線を引くのが、この回の中身です。

この回の計算例は、すべて架空の数字です。 説明のために作ったもので、どこかの会社の実際の数字ではありません。自分たちの数字に置き換えて読んでください。

ここまでに集めた数字を、1枚に並べる

第1回から、少しずつ数字を集めてきました。誰に売るのか。何人いるのか。いくらで売るのか。 ばらばらに出してきたこれらを、この回で1枚に並べます。

並べると、たいていどこかで話が合わなくなります。合わないことが分かるのが、この回の目的です。

なぜ1枚なのか。 ばらばらに持っていると、合わないことに気づけないからです。第3回で聞いた金額と、第4回で数えた人数と、第2回で書いた売り方。別々の紙にあるうちは、それぞれもっともらしく見えます。 隣に並べた瞬間に、合わないところが見えます。

第2回で9つのマスを1枚に収めたのと、同じ理由です。 あのときは企画の全体を1枚にしました。この回は、数字だけを1枚にします。

1枚に並べる、とはこういうことです

紙の左に項目、右に数字。それだけです。 難しい表は要りません。

紙の左に項目、右に数字。もう1列だけ足します項目数字どこから来たか買ってくれる人は、何人いるか第4回そのうち、実際に買う人は何人か第3回1回あたり、いくら払うか第3回1年に、何回買うか第3回1年に、いくらかかるかこの回右が空いている行が、仮に置いた数字です
右の列が、このあとの節で効きます。埋まらない行は仮の数字として置いて、印を付けてください。

この5行が埋まれば、この回は始められます。 埋まらない行があるなら、そこが今日の宿題です。

「どこから来たか」は、こう書きます。 「第3回のインタビューで3人中2人がそう言った」「お店の料金表を見た」「たぶんこれくらい」。この一言が、次の節で効きます。

買う人の数は、どこから出すのか

5行のうち、いちばん出しにくいのがここです。 出し方は2つあります。

上から絞る。 第4回でやったやり方です。大きい数から始めて、条件で絞っていきます。「郡山市の人口 → そのうち20代 → そのうち◯◯している人 → そのうち自分たちが届けられる人」。絞るたびに、割合をどこから持ってきたかを書き添えてください。 割合が全部「たぶん」なら、出てきた数字も「たぶん」です。

下から積む。 こちらは、届けられる範囲から数えます。「うちの学校に◯人いる。そのうち声をかけられるのは◯人。そのうち買う人が◯割」。小さい数になりますが、根拠は強くなります。

この授業では、下から積むほうを勧めます。 上から絞ると数字は大きく出ますが、その人たちに届ける方法がありません。 届けられない人は、数に入れても意味がありません。

両方やってみて、数字が10倍以上ちがうなら、どちらかの置き方が間違っています。

もう1つ、忘れられがちな行があります。 「そのうち、実際に買う人は何人か」です。

声をかけられる人が200人いても、200人が買うわけではありません。 ここに割合を置きます。この割合が、5行のなかでいちばん仮になりやすいところです。

置き方の目安。 第3回で聞いた人のうち、「それなら払う」と実際の金額まで言った人が何人いたか。3人中1人なら、そこが手がかりになります。 聞いていなければ、低めに置いて、印を付けておいてください。

1年に買う回数は、思い出せる回数で置く

「たぶん月1回」と置きたくなりますが、根拠がありません。 置き方は1つです。第3回で聞いた話に、回数が出ていないかを探してください。

「先週は3回やった」「月に1回くらい」。インタビューで出てきた回数は、調べた数字です。 出ていなければ、そこが確かめに行く場所になります。

自分の生活で置き換えてみるのも手です。 「自分なら年に何回買うか」。ただしこれは仮の数字です。 自分は1人しかいないので、そのまま全員に当てはめられません。

1年にかかるお金は、2つに分けて置く

この回は、大きく2つに分けて1年ぶんの合計が出れば十分です毎月出ていくもの場所代 通信費 仕入れ 自分たちの時間12か月ぶんにする最初に1回だけ出るもの機材 内装 届出にかかるお金何年使うかを決めて、1年ぶんに割る架空の例 30万円のものを3年使うなら、1年10万円足すと「1年にかかるお金」掛け算の答えと並べる相手になります
細かい分け方は第8回でやります。この回では、2つに分けて1年ぶんが出れば通ります。

細かい分け方は第8回でやります。 この回では、大きく2つに分けて、1年ぶんの合計が出れば十分です。

仮に置いた数字と、調べた数字を分ける

まず、手元の数字を2つに分けてください。

仮に置いた数字が悪いわけではありません。 全部を調べてから進むことはできないので、どこかは仮で置くしかありません。問題になるのは、どれが仮なのかを忘れることです。

見分け方は、1つだけです

その数字が、どこから来たかを言えるかどうか。 それだけです。

いちばん下が大事です。 どこで見たか思い出せないなら、それは調べた数字ではありません。もう一度探して、見つからなければ仮の数字として扱ってください。

調べた数字にも、強さの差があります。 第1回で、同じ会社の数字でも出どころによって重みが違うという話をしました。ここでも同じです。

調べた数字にも、強さの差があります強い自分で払った、自分で数えた公的機関や会社が出している数字お店の料金表、フリマアプリの成約価格インタビューで1人が言った金額まとめ記事に書いてあった数字弱い1人が言った金額は、3人が同じことを言えば強くなりますまとめ記事は、たどれるまで仮として扱います弱いから使えない、ではありません。強い数字のように扱わない、というだけです
上の段ほど、あとで説明を求められたときに答えられます。下の段の数字を上の段のように扱うと、そこで話が止まります。

分けたら、仮の数字のうち、外れたら企画が成り立たなくなるものを1つ選んでください。この回で確かめるのはそれです。

ここで迷う人が多い ① 全部が仮の数字に見えてくる

止まり方は3つです。

1つ目。分けはじめると、全部が仮に見える。 よくあります。それは、正しく見えています。 調べた数字も、その調査の対象がずれていれば当てになりません。それでも、程度の差はあります。 出どころが言えるものと、言えないものに分けるところまでで十分です。

2つ目。仮の数字が多すぎて、どれを選べばいいか分からない。 1つずつ、「これが半分になったらどうなるか」と考えてください。 半分になっても企画が回るなら、それは今回選ぶものではありません。半分になった瞬間に成り立たなくなるものが、選ぶべき1つです。

3つ目。調べた数字が1つもない。 その場合は、確かめる1つを選ぶ前に、1つだけ調べてきてください。 相場でも、人口でも、他の店の料金でも構いません。全部が仮の状態では、動かしてよいものと悪いものが分かれません。

成り立つかどうかは、掛け算1本で見る

この回で見るのは、大きく成り立つかどうかだけです。

買う人の数 × 1回あたりの金額 × 1年に買う回数

これで出た1年ぶんの売上と、1年にかかるお金を並べます。売上のほうが小さければ、いまのままでは成り立ちません。

やってみます

ここからは架空の数字です。 中身が何の企画かは、いまは考えなくて構いません。

架空の計算例です200人買う人の数仮に置いた×1,500円1回あたり調べた×4回1年の回数仮に置いた1年の売上 120万円1年にかかるお金 180万円60万円足りないどちらも百万円台。桁は同じなので、動かせる範囲にあります
式の下の札が、その数字の出どころです。仮の札が2つ付いた式で出した答えは、仮の答えです。

桁で見る

ここで、1つ確かめます。出た2つの数字は、同じ桁でしょうか。

桁が同じなら、動かせる範囲にあります。 このあとの4つのどれかを動かせば、届く可能性があります。

では、売上が12万円だったらどうでしょう。 かかるお金が180万円なので、桁が1つ違います。 この場合、どれか1つを少し動かしても届きません。買う人の数え方そのものが違っているか、企画の形が違っています。

数%の差を気にする段階ではありません。 桁が合っているかどうかだけを見てください。

成り立たないと分かったら、動かせるところは4つ

企画を捨てる前に、動かせるところを見てください。 4つあります。

動かしてよい自分たちで決められること誰に売るかいくらで売るかどうやって届けるかいくらかかるか1つ動かすと他も動く。動かしたら、もう一度掛け算を通す動かしてはいけない調べて分かった数字人口相場他の店の料金書き換えると、紙の上だけ成り立つ
左は自分たちの判断です。右は自分たちには決められません。計算が合わないとき、手を入れてよいのは左だけです。

1つずつ、もう少し細かく見ます

誰に売るか。 「絞ると人数が減るから不利だ」と思いがちですが、逆のことが起きます。絞ると、届け方が決まります。 「郡山市の20代全員」に届ける方法は誰も知りませんが、「うちの学校の学生」なら、掲示板でも、教室でも、届け方が思いつきます。届かない1万人より、届く200人のほうが大きい、ということです。

絞り方には2つの向きがあります。 「どんな人か」で絞るのと、「どこにいるか」で絞るのと。この授業では、どこにいるかで絞るほうが確かめやすいです。 「郡山市内の学生」なら、実際に会いに行けます。「節約志向の若者」では、会いに行けません。

いくらで売るか。 上げるときに要るのは、値上げの理由ではありません。その値段でも買う人がいる、という根拠です。 第3回で「いま同じことにいくら払っているか」を聞いていれば、そこが根拠になります。聞いていなければ、そこが次に確かめるところです。

どうやって届けるか。 ここは、かかるお金と届く人数が同時に動くので、いちばん読みにくいところです。店を借りるのをやめれば、かかるお金は減りますが、通りがかりの人には届かなくなります。両方を書き出してから決めてください。

いくらかかるか。 「自分たちでやるから0円」と書いてしまいがちです。時間は使っています。 時給1,000円で月に20時間使うなら、月2万円、年24万円です。この行を入れておくと、あとで人に頼むときの判断が早くなります。

1つ動かすと、他も動きます

さきほどの架空の企画に戻ります。単価を1,500円から2,000円に上げてみます。売上はいくらになるでしょう。

200人 × 2,000円 × 4回 = 160万円。 かかるお金は180万円のままなので、まだ20万円足りません。

では、買う回数を4回から5回にしてみます。

200人 × 2,000円 × 5回 = 200万円。 今度は届きました。

ここで手を止めてください。 いま2つ動かしました。その2つに、根拠はあるでしょうか。

根拠なしに動かすと、紙の上だけが成り立ちます。 動かしたら、その数字を次に確かめるものとして書き留めてください。 「2,000円でも買うかを確かめる」「年5回買うかを確かめる」。これが、この回のいちばん大事な成果物です。

届け方を変えた場合も、やってみます

同じ架空の企画で、今度は届け方を変えてみます。 場所を借りるのをやめて、出張の形にします。

架空の計算例です。届け方を変えてみますはじめの形200人 × 1,500円 × 4回 = 120万円 / かかるお金 180万円60万円足りない場所を借りるのをやめるかかるお金 180万円 → 120万円売上120万円と釣り合ったでも、通りがかりの人には届かない150人 × 1,500円 × 4回 = 90万円また30万円足りない費用だけを見て決めると、売上が落ちていることに気づきません動かしたら、必ず掛け算をもう一度通す
1つ動かすと、たいてい他も動きます。動いたほうを数えないと、成り立ったように見えてしまいます。

値段を上げれば買う人は減ります。 届け方を変えれば費用が変わります。だから、動かしたあとにもう一度、掛け算を通します。

動かしてよい数字と、動かしてはいけない数字

調べた数字は動かしません。 ここが規律です。

計算が合わないとき、いちばん簡単なのは調べた数字を書き換えることです。「市内の店舗数はもっとあるはずだ」「本当はもっと払ってくれるはずだ」。そうすると、紙の上では成り立ちます。実際には成り立ちません。

気に入らない数字が出たときこそ、それは調べた数字かどうかを確かめてください。

動かしてよいのは、自分たちで決められることだけです。 誰に売るか、いくらで売るか、どうやって届けるか、いくらかけるか。この4つは、自分たちの判断です。 人口も、相場も、他の店の料金も、自分たちには決められません。

ここで迷う人が多い ② 調べた数字のほうを動かしたくなる

これは、誰にでも起きます。 責める話ではありません。止まり方は3つです。

1つ目。「この統計は自分たちの企画には当てはまらない」と考えて、数字を作り直してしまう。 当てはまらないと思ったなら、作り直すのではなく、当てはまる別の数字を探してください。 「その統計は市全体だから、学校の中の人数を数え直す」なら正しい直し方です。「もっといるはずだから1.5倍にする」は違います。

2つ目。調べた数字を、そのまま使わずに「少し多め」に置いてしまう。 多めに置きたくなるのは、成り立ってほしいからです。 気持ちは分かりますが、多めに置いた分だけ、あとで足りなくなります。

3つ目。どちらか分からなくなって、両方を動かしてしまう。 そうなったら、1枚に並べた表の「どこから来たか」の列を見てください。 そのために書いた列です。空欄になっている行は、仮の数字です。

どこで合わなくなっているかの見分け方

合わない形は、だいたい3つのどれかです。

自分たちがどれなのかを言えるようになるのが、この回です。

数字で見分けます

どれに当たるかは、掛け算の中身を見れば分かります。

3つとも別々の架空例です手をつける先届く人数が足りない人数30人 × 3,000円 × 6回 = 54万円単価を2倍にしても108万円。人数のほうを見直す単価が低すぎる単価1,000人 × 200円 × 2回 = 40万円単価を400円にするだけで80万円。手をつけるなら単価かかるお金が先に出ていくかかるお金売上200万円/最初の設備300万円売上を増やしても解決しない。かかるほうを見る掛け算のうち、いちばん小さい数字はどれか。たいてい、そこが答えです
同じ「合わない」でも、手をつける先が違います。3つが同時に起きている場合は、誰に売るかから順に見てください。

3つが同時に起きていることもあります

人数も少なく、単価も低く、最初にお金もかかる。 この場合は、1つずつ順番に見てください。

順番は、誰に売るかからです。 相手を変えると、単価も、届け方も、かかるお金も、まとめて変わります。いちばん上流にあるからです。

逆に、かかるお金から手をつけると、たいてい行き詰まります。 削れる額には限りがあるからです。削り切っても届かないなら、相手を変えるしかありません。 それなら、最初から相手を見たほうが早いということになります。

ただし、1つだけ例外があります。 最初に1回だけかかるお金が飛び抜けて大きい場合です。設備で300万円かかるなら、そこを先に見ます。 借りる、中古にする、人に借りる。この1行が消えるだけで、話がまるごと変わることがあります。

【考えてみてください】自分たちの数字のうち、いちばん自信がないものはどれですか

1枚に並べた5行のうち、1つだけ選んでください。

この問いの答えは、このページのどこにも書いていません。 授業で聞きます。

選べたなら、この回の半分は終わっています。 自信がない場所が分かっているというのは、次にどこを確かめればよいかが分かっているということです。

やり直しではなく、組み直し

企画を丸ごと乗り換えないでください。 ここまで調べてきたことが使えなくなります。

変えるのは、上の4つのうちの1つか2つです。「誰に売るか」を変えただけで成り立つようになることは、よくあります。 同じ企画のまま、届ける相手が変わるだけです。

変えた理由を、数字で言う

変えた理由を数字で言えるようにしておいてください。 「なんとなく」で変えると、次に同じところで詰まります。

「1年で◯人に届かないと合わないが、いまの届け方では◯人しか届かない。だから届け方を変えた」。この形で書けていれば、最終回でそのまま話せます。

架空の例です型は3つの部分でできています1合うために必要な数字1年で400人に届く必要がある2いまの数字いまの届け方では200人3だから何を変えたかだから届け方をネットに変えた書けていない例思ったより人が集まらなさそうなので、ネット販売に変えた1と2が無い単価を上げたほうが利益が出るので、2,000円にした1と2が無い1と2の両方を書くのが要点です。片方だけだと、変えた理由になりません
この形で書けていれば、最終回でそのまま話せます。数字が1つも入っていない文は、変えたあとに合うのかどうかも分かりません。

「単価を上げたほうが利益が出るので」は、理由になりません。 上げれば利益が出るのは当たり前です。書くべきなのは、なぜ2,000円で買ってもらえると考えたかのほうです。

ここで迷う人が多い ③ 全部を作り直したくなる

止まり方は3つです。

1つ目。数字が合わないと、企画そのものが間違っていた気がしてくる。 合わないのは、たいてい1か所です。 4つのうちどれを動かせば合うかを先に見てください。それでも合わないと分かってから、企画を変えても遅くありません。

2つ目。別の企画のほうがうまくいきそうに見える。 別の企画には、まだ数字を入れていないからです。入れれば、そちらも合わなくなります。いま持っている数字は、ここまで調べてきた分だけです。

3つ目。チームの中で意見が割れて止まる。 意見で割れているなら、数字に戻ってください。 「単価を上げるべきだ」と「人数を増やすべきだ」で割れたら、両方を計算して、どちらが届くかを見ます。 計算すれば、たいてい片方に決まります。

成り立たないと分かることは、失敗ではない

この回で数字が合わなかったチームのほうが、あとが楽です。 合わないと分かった場所が、次に手を入れる場所だからです。

合わないまま先に進んだ場合に何が起きるか。 第8回でもう一度、細かい計算をします。そこで同じところが合いません。 気づくのが3回あとになるだけで、直す場所は同じです。

数字が合ってしまったチームへ

いちばん怪しい前提を1つ選んでください。 「1年に4回買う」と置いたその4回は、どこから来た数字ですか。仮に置いたものなら、そこが次に確かめるところです。

もう1つ。合っている幅を見てください。 ぎりぎり合っているのか、倍の余裕があるのか。ぎりぎりなら、1つ外れると合わなくなります。 その1つがどれかを書き留めておいてください。

幅の見方は簡単です。 掛け算の3つのうち、どれか1つを半分にしてみてください。

さきほどの架空の企画で、200人 × 2,000円 × 5回 = 200万円。かかるお金は180万円でした。買う人が半分の100人になると、100万円です。 180万円には届きません。

単価を半分にしても、回数を半分にしても、同じ100万円です。

架空の計算例です。200人 × 2,000円 × 5回 = 200万円1年の売上余裕かかるお金 180万円そのまま+20万円買う人を半分に−80万円単価を半分に−80万円回数を半分に−80万円かかるお金を半分に90万円+110万円掛け算の3つは、どれを半分にしても同じだけ効きますだから、確かめる先は「効くか」ではなく「どれがいちばん仮か」で選びますかかるお金だけは掛け算の外。売上は動かず、届く線のほうが動きます
3つの帯が同じ長さになります。掛け算なので、効き方では選べません。いちばん出どころが弱い数字を、次に確かめます。

掛け算の3つは、どれを半分にしても同じだけ効きます。 掛け算だからです。だから、確かめる先は「効くか」ではなく「どれがいちばん仮か」で選びます。

200人・2,000円・5回。この3つのうち、いちばん出どころが弱いものが、次に確かめるものです。 3人に聞いて出した2,000円と、なんとなく置いた200人なら、確かめに行くのは200人のほうです。

「ここで迷う人が多い ①」で使った「半分になったら成り立つか」は、成り立つ/成り立たないの振り分けです。 掛け算の3つは、そこでも一緒に動きます。3つの中から1つを選ぶときは、仮の度合いで選びます。

ただし、かかるお金は掛け算の外にあります。 ここだけは、動かしたときの効き方が違います。かかるお金を半分にすると90万円です。 売上200万円はそのままなので、余裕は20万円から110万円に増えます。 売上の側を半分にしたときとは、動き方が違います。

この「半分にしてみる」は、第8回でもう一度出てきます。 そのときは、割り算の分母を動かす形になります。分母を動かすと、効き方は比例しません。 この回では、掛け算の3つでやってみるだけで十分です。

自分たちの企画で、順番にやってみる

  1. 5行を1枚に並べる … 人数・買う人数・単価・回数・かかるお金
  2. どこから来たかを書き添える … 調べた数字か、仮の数字か
  3. 掛け算を1本通す … 売上とかかるお金を並べる
  4. 桁を見る … 同じ桁なら動かせる。1つ違うなら前提を見直す
  5. 合わなければ、4つのどれかを動かす … 動かしたら、もう一度3に戻る
  6. 動かした数字を、確かめるものとして書き留める … これが次の宿題になる

5行が埋まって、掛け算が通れば、この回は通っています

合ったかどうかではありません。 合わなくても、どこで合わないかが言えていれば十分です。

うまくいかないときは

5行のうち、埋まらない行がある。 その行は仮の数字で埋めてください。 空欄のままだと掛け算が通りません。仮で置いて、印を付けておきます。

印は、あとで見て分かる形にしてください。 丸で囲む、色を変える、右に「仮」と書く。どれでも構いませんが、決めた形をチームでそろえてください。

かかるお金が出せない。 第10回でもう一度、細かく出します。この回では、大きく分けた3つか4つで構いません。 場所、もの、人。それぞれ1年でいくらか。

チームの数字が人によって違う。 どちらが正しいかを決める前に、両方を計算してください。 片方でしか成り立たないなら、その数字を確かめに行けばよい、ということになります。

計算が合わなくて、企画をやめたくなる。 やめる判断は、この回ではしません。 この回でやるのは、どこが合わないかを特定するところまでです。やめるかどうかは、確かめに行ったあとで決めます。

そもそも数字を集めていない。 第1回から第4回までの課題に戻ってください。この回は、集めた数字を並べる回です。 集めるところからやる場合は、まず1つだけ調べてきてください。 1つあれば、残りを仮で置いて掛け算は通せます。

次の回までにやること

このページの下に課題が5問あります。Teams から提出してください。締切は次の授業の前日の正午です。

2コマ目までに、チームの数字を1枚にまとめておいてください。 全チームの数字を並べて、どこで合わなくなるかを一緒に見ていきます。

動かした数字がある場合は、動かす前の数字も残しておいてください。 何をどう変えたかが、そのまま最終回で話す材料になります。

チームで数字が割れたまま来た場合も、両方持ってきてください。 2コマ目に、両方で掛け算を通します。どちらで成り立つかを見れば、確かめに行く先が決まります。

次の回は「なぜ勝てるのか」です。 この回で相手を絞ったチームは、絞った相手にとって、なぜ自分たちが選ばれるのかを見ていきます。

配布資料

課題

この課題について

正解が1つに決まる問題ではありません。 調べて書いても、考えて書いてもかまいません。 外れていても構わないので、まずは自分なりの答えを出してみてください。 自分で決めてから解説を読むと、そこがいちばん頭に残ります。 各問に字数の目安を添えてありますが、あくまで目安です。 ぴったり合わせる必要はありません。

  • 提出は Teams の課題から
  • 締切は 11月5日(木)正午
  • 解説は次の回に、Teams でリンクをお知らせします

問1

買う前に思っていたことと、実際に使ってみて違ったものを1つ教えてください。

どこが違いましたか。 良いほうに違っていても、その逆でもかまいません。

目安 150〜250字

問2

売上を増やすには、買う人を増やす/1回あたりの金額を上げる/買う回数を増やす、の3つがあります。

自分たちの企画で、いちばん動かしやすいのはどれですか。 そう考えた理由も書いてください。

目安 150〜250字

問3

計算してみて、いまのままでは成り立たないと分かったチームへ。 値段を上げる/買う人を変える/届け方を変える/かかるお金を減らす、のうち、最初に手をつけるのはどれですか。 理由も書いてください。

計算が合ったチームへ。 いまの計算のなかでいちばん怪しい前提を1つ選んで、それが外れたらどうするかを書いてください。

目安 150〜250字

問4

今回わかったことを踏まえて、自分たちの企画はどこが変わりましたか。 変わらなかった場合は、そのままでよいと判断した理由を書いてください。

たとえば「お金を払う人は使う人だと思っていたけれど、別の人かもしれないと気づいた」のように、前はこう思っていた/いまはこう思う、の形にすると書きやすくなります。

目安 100〜200字

問5

今回の授業で、いちばん分からなかったこと、もやもやしたことを教えてください。 課題の答えではなく、授業の内容についてです。 うまく言葉にできなければ、授業のどのあたりだったかだけでも構いません。

目安 50〜150字

Teams の課題から提出してください。

この回の参考文献

参考文献の一覧

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